散々だった昨年度、最後のケース会議が年度末にありました。とても長くなりますが、振り返りをします。
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昨年度末、1月末から延期が続いていたケース会議が開かれました。私自身も緊張して臨んだこの会議はかなり張り詰めた雰囲気となり、終始ピリピリしたものになりました。
始まりは担任が一年を振り返り、私も振り返る
会議が始まってすぐに、担任がこの一年を振り返りました。自分が長期休養で細やかな配慮ができなかった、などと振り返りました。次に私が話す番になり、そこで担任の理解のなさから子どもがずっとしんどい思いをしていたこと、ケース会議で決められていた合理的配慮はほぼされていなかったこと、クラスの子にも自分の不出来を指摘されたりずるいと非難され傷ついていること、担任だけでなく代わりに入った一部の先生からも心ない発言があり不安が強くなったことなど、これまでの苦難を訴え担任含め学校の姿勢を問い、担任だけでなく学校全体として認識や姿勢を改めて欲しい旨を伝えました。
合理的配慮違反にブチギレ、証拠開示
そしてこの会議には、これまで返却されたテストの一部を持参して臨みました。特別支援相談員・特別支援コーディネーターに見せるためにです。
何故テストを?となるかもしれません。実は、一部のテストには担任の合理的配慮違反を証明する言葉が書き込まれていたのです。
合理的配慮の一つに書字に関して細かい指導をしないという事項があるのですが、この項目を完全無視するようなコメントをテストに書き込まれることが何度もありました。
子どもはフルネームで名前を書くと長くなってしまうこともあり、名前だけで書くことが多くこの点をよく注意されていました。恐らくフルネームで書くとしんどいからだと思い、本人とわかればフルネームじゃなくても勘弁してやってくれと申し入れをしていたのにも関わらず、何度も『名前を全部書きましょう』と注意されました。
他にもうまく書けない字に対して『れんしゅうしましょう』、『おまけ』などと書き込まれ…私は見ただけで神経を逆撫でされた気分になり、イライラしました。こういうコメントを見た子どもが何も感じないとでも思っていたのか、担任の姿勢に対し理解に苦しむ日が続きました。
正直腹が立って仕方がなかったのですが、ただ私が神経質に反応してるだけかもしれないと思い直し、ずっと黙っていました。放デイのスタッフに見せて愚痴をこぼすことはあったものの、学校には言わずにいました。
しかし3月初旬、返されたテストに名前をフルネームで書いていないことに対してキツいコメントが書き込まれていたのを発見したことをきっかけに方向転換、これまで返された中でもイラッとしたコメント入りテストをかき集めて関係者全員に開示することを決意しました。要するに私がブチギレです。
私の訴えを聞き、テストを見た特別支援相談員は、これは合理的配慮違反であると担任に指摘してくださいました。
無配慮なのは担任1人だけではない
また、担任不在時に代理で来た先生から、"漢字ドリル取り組み時に字をなぞるのに1ミリたりともはみ出たら許さない"旨の発言があったこと、最後に冗談で言ったと明かしたが書字に困難のある子どもはこの発言に動揺し、どうしたらいいかわからず涙が出そうな程緊張した、という事例が発生したと報告しました。
どなたが言ったか把握はしているが、この場で個人を特定する氏名を明かすと該当者に注意のみで終わってしまうので明かさない。自分が携わるクラスや学年以外はわからないことは承知しているが、どのクラスにも読み書きが苦手で静かに困っている子がいるかもしれないという認識でいればこのような発言は出ないのではないか、学校全体として認識を改めていただきたい、と伝えました。
私の発言中、特別支援相談員はずっと険しい表情で話を聞いていました。そして、学校として真摯に受け止めなければならない、全体で研修し直さなければ、とおっしゃっていただきました。
担任だけでなく一部クラスメイトも無理解
子どもはクラスの何人かから合理的配慮を『ずるい』と非難されたり、挨拶がわりに『バカ』『勉強できない』と言われ傷つき、2月に入って不登校気味になってしまっていました。このケース会議で次年度クラス編成の話が出たので、特に何度もしつこく絡んで暴言を吐いてきた子はなるべく離してくれとお願いしました。子どもが安心して学校に通うために、自尊心を傷つけにくる子と離れることが必要だと思ったのです。
結果として様々な要望を出す形になってしまいましたが、私の子どもが経験したような悲しい想いをする子どもが今後一切出ないよう切に願う、と伝え共有して、ケース会議は終了しました。
会議後、学校に変化が
このケース会議後、色々とひどい状態であったことを担任と特別支援コーディネーターが揃って校長に報告を上げた、大変申し訳なかったと連絡を担任からいただきました。
学校側は子どもの困難を『所詮その程度』にしか捉えていないだろうと諦めていたし、自分たちの汚点となるようなことを報告するとも思っていなかったので、正直驚きました。
後日、このケース会議に同席した放デイの先生から、
・私も言おうと思って参加したが、ママ(私のこと)がすごく冷静に、淡々と伝えることができていたので一言だけ話した。
・ただひたすら、ママと◯◯ちゃん(子ども)の悲しみが伝わってきた。学校側は聞きたくない話だったと思うが間違いなく言ってよかった、今日の会議は爪痕を残せたに違いない。
とお褒めいただき、我々の魂の叫びは多少は学校側にも響いたのかもしれないなと思い至り、私もこれで終わりにしてもう一度子どもの伴走を頑張ろうと決意しました。
この後すぐにこれまでずっとやってほしかった配慮が始まり、子どもが持てる力を発揮することができるようになりました。時期にして3月、本当の年度末に。
おせーよ!と思いつつも、学校側の姿勢がガラッと変わったのでありがたく思い、私が散々な評価をしていた担任もまだ変われる余地はあるのではないかと感じました。
時は過ぎ
卒業式を終えて春休みに入り、人事異動が発表されました。担任は赴任して1年で異動になり、特別支援コーディネーターも異動になりました。
担任からは自分が至らなかった、至らなかった点も含めて引き継ぐとメッセージをもらいました。3月末、電話での会話が私と担任との最後の会話になりました。
このような形で一年終わるのは残念だったけど、子どもを通級に繋いでくれたのは担任でした。このことに関しては、心の底から感謝しています。
通級に繋いでくださり感謝している、次の学校でも頑張ってくださいと伝えて会話は終わりました。
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年が明けてから色々なことが起こり、子どもが傷つくのをそばで見ていた私も一緒になって心身ともに疲弊しきった状態で新年度を迎えましたが、新年度は多数の職員が入れ替わったせいなのか学校の雰囲気がすごく明るくなり、始めから子どもが無事に学校に通うことができています。
年度始めは毎年どうしても落ち着かないので私も対応に大変ではあったものの、子どもをそのまま受け止めてくれる担任が配置されたことと、通級が始まったこともあり今のところ自分のペースで頑張っている様子が見られます。
少しずつ少しずつ、一昨年の状態に持っていけたら…と願いながら寄り添っていこうと思います。